皆さん、こんにちは。A SIDE STRENGTH&CONDITIONINGの久保です。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、以前と同じようにトレーニングが出来なくなってしまったアスリートや運動愛好家の方は多いと思います。そこで今回はトレーニングの中断が身体に及ぼす影響について書いていきます。
トレーニングを中断することをディトレーニングと呼びます。このディトレーニングにより大きな影響を受けるのが持久力です。2週間の短期的なディトレーニングで持久的パフォーマンスは約9%低下すると言われています。また一般の方よりもアスリートの方がディトレーニングによるパフォーマンス低下は大きいようです。さらに低下したパフォーマンスを元のレベルに戻すには、ディトレーニング期間よりも長い期間を要するとのことです。
一方、筋力やパワーに関しては2週間のディトレーニングにより、パラレルスクワットの挙上重量が0.9%、垂直跳びの数値が1.2%低下すると言われています。持久力と比較すると短期間でのパフォーマンス低下は顕著ではないため、維持されやすい機能と言えるかもしれません。とは言え、休止している期間が長くなれば、どんどん機能低下は進んでしまいます。
このようにディトレーニングは様々な体力低下を招きます。体力が低下した状態でスポーツ活動を再開すると、身体に掛かる負荷が急激に増えるため、怪我のリスクが高まります。この期間、在宅トレーニングや人通りの少ない場所を走るなどして、可能な限り体力の維持に努めましょう!
<参考文献>
・Houmard J A et al.:Effect of short-term training cessation on performance measures in distance runners.
 Int J Sports Med,  13:572-576, 1992.
・Hortobágyi T et al.:The effects of detraining on power athletes. Med Sci Sports Exerc, 25:929-935,1993.
・Houston ME et al.:Interrelationships between skeletal muscle adaptations and performance as studies by detraining and
 retraining. Acta Physiol Scand, 105:163-170,1979.