こんにちは。A SIDE STRENGTH & CONDITIONINGの植原です。

 

緊急事態宣言は解除されましたが、まだ辛抱が必要ですね。特に学生スポーツにおいては、大会中止が相次ぎ、通常通りの部活動を行うこともできていないところがほとんどでしょう。学校にも入れず、スポーツジムに行くこともできない人もいると思われます。また、限られた環境でのトレーニングが続いているのは学生だけではないと思います。そのような環境でしっかりトレーニング強度をあげることはできているでしょうか。

 

トレーニング強度を知る1つの指標として心拍数があります。最近では機器が充実して簡単に心拍数がわかるようになりましたが、運動前後で脈がいくつかを見ているだけでは少し不十分の様に思われます。

ある運動強度における目標心拍数は一般的に【(最大心拍数―安静時心拍数)×運動強度(%)+安静時心拍数】が用いられています。この式中にある「最大心拍数」に関しては様々な議論がなされており、予測する場合は「220-年齢」が広く知られていますが、最近では「208-0.7×年齢」を使うことが多くなってきているようです。安静時心拍数については、運動前にとると運動の準備として交感神経が働いているため高く出がちですので、朝起きた時点やリラックスした環境下で心拍計や自身で脈をとって予測する方がより良いでしょう。

 

以下、例をあげてみます。

年齢20歳、安静時心拍数60拍/分、70%の強度でトレーニングを行いたい場合、

(最大心拍数―安静時心拍数)×運動強度(%)+安静時心拍数

=((208-0.7×20)-60)×0.7+60 = 134×0.7+60 = 153.8

が目標心拍数となります。

 

脈を毎回確認しながら行っている方々、「運動前70~運動後140くらいまで上がっているから良し」と単純に終わっていませんか?それは本当に目的とする強度のトレーニングを行うことが出来たのでしょうか?

 

あくまで目安ですが、例の場合、運動後に153前後まで脈が上がっていると目的の強度をかけられたと言えるでしょう。同時に、自覚的運動強度を記録しておくと、例えば、同じメニューを行って、①自覚的運動強度はキツイのに心拍数が目標値までいっていない場合は心理的にブレーキをかけてしまった可能性や思ったより身体が疲れていることを考えたり、②心拍数が目安値までいっていても自覚的運動強度はいつもより低かった場合は自身のトレーニングレベルの向上ととらえたりすることが出来ます。※自覚的運動強度とは、6~20までの数字を使って非常に楽~非常につらいまでを15段階で表すものです。私が学んだときは、6が安静と同じくらい、20は死にそうなくらいだそうです。この上限、下限は一例にすぎませんが、個人内で自覚的運動強度の上限下限をしっかり決めた方が継続していくうえで混乱しないでしょう。

 

また、心拍計をもっていない方は、手首(橈骨動脈)または首(頸動脈)に人差し指から薬指までの3本(または薬指を外した2本)を当てて脈をとりましょう。このとき、脈をとる秒数が違うと計算による誤差が生じるので統一しましょう。また、長い秒数脈をとったほうがより正確ですが、高強度トレーニングを行った後に冷静に何十秒も脈を数えることは難しいです。そのような場合は、最短6秒でその数を10倍して利用しましょう。この場合、安静時も6秒でとるので、全体的に心拍数は高くなります。継続的に見ていくのであれば、一定の条件を保って測定を続けていくのが良いです。

 

一人でトレーニングをする場合はなかなか強度をあげられないことが多いですが、このような目安を持っておくと自身の成長を客観的に知れたり、自身を鼓舞する材料になります。ぜひ、日々目標をもってチャレンジしていきましょう!